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障がい者アート

障がい者アート講演会「障がい者アートの現在~福祉と芸術の間で」

服部 正(兵庫県立美術館・学芸員)

平成21年8月5日(水) 14:00~15:30

大研修室

アウトサイダー・アートと障がい者アートの特質を明確に

障がい者アート展示会
講演会の様子
意見交換会の様子

国際障害者交流センター(ビッグ・アイ)が、本年度から本格的に取り組む障がい者アート紹介の第1弾として、障がい者など、独学の作り手が創造するアート作品を専門的に研究されている服部正さんによる講演会を開催し、これに伴い「障がい者アート展示会」を同時開催しました。
講演会当日、アウトサイダー・アートや障がい者アートに関心を持つ美術ファンや、実際の現場で働く福祉関係者などで、会場では用意していた席を増やすほどの盛況ぶりでした。服部氏の語り口は気さくで、時折ユーモアを交えた分かりやすい講演に、会場には笑い声も聞かれ、熱心に耳を傾ける人々の姿が印象的でした。
講演は、「障がい者アート展示会」に出品されている作品や施設の紹介に始まり、20世紀前半のヨーロッパで障がい者の作品に芸術家たちが興味を持つようになった経緯など、服部氏の研究分野であるアウトサイダー・アートに関する内容のほか、日本の社会福祉の歴史のなかで障がい者の作品が注目された事例やその理由など、福祉分野における障がい者アートの意義などについても説明していただきました。
さらに、近年の障がい者アートが地域のコミュニティ活性化に利用されている事例の紹介のほか、芸術的観点からみて作品と鑑賞者の関係を重視するアウトサイダー・アートと、福祉的観点からみて制作者と作品の関係を重視する障がい者アートの相違点と共通点など、障がい者アートの今後の振興を図るうえで留意すべき点などについてもお話しいただきました。
講演後も引き続き服部氏を囲み、障がい者アートの現場に携わる方々との意見交換の場がもたれ、多くの方々の日々の実践が語られていました。

服部 正
服部 正

【プロフィール】
1967年兵庫県生まれ。大阪大学大学院文学研究科を経て、1995年より現職。美術館での展覧会の企画・運営に関わるほか、障がい者など正規の美術教育とは無縁の人たちによるアウトサイダー・アートを専門分野として、研究・執筆などの活動を行っている。
著書に『アウトサイダー・アート‐現代美術が忘れた「芸術」』(光文社新書)がある。2008年度より甲南大学人間科学研究所客員特別研究員、本年度より国際障害者交流センター障がい者アートアドバイザー。


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