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“Adventure for all” ビッグ・アイフォーラム2
「障がい者のための国際野外活動フォーラム」

シェアリング 意見交換会

コーディネーター
桃山学院大学教授 石田 易司氏
スピーカー
デビッド・ペセリック氏(オーストラリアキャンプ協会CEO)
浅野 房代氏(公益財団法人そらぷちキッズキャンプ 理事)
木村 啓律氏(株式会社jecウエルプランニング)
坂本 明裕氏(筑波大学准教授)

有意義な意見交換会でフォーラムを締めくくる

日本での障がい者キャンプの普及
2日間のフォーラムの締めくくりは、コーディネーターに石田氏を迎え、4名の講師の方々の意見交換会が開催されました。はじめに石田氏から「障がいのある方々とのキャンプを日本で普及するにはどうすればいいか」とのテーマに各講師の方々がそれぞれのお考えを発表してくださいました。
木村氏は「自分たちが今、取り組んでいる仕事が、若い人たちに夢のある仕事として映っていくようにがんばりたい」と職業感を述べられ、坂本氏は「現在の活動の成果を有益な証拠として残し、少しでも予算を得られるようにしたい」と活動資金の側面から意見を述べられました。また浅野氏が「自然の中で人間は変われると信じて活動しています」と述べられると、デビッド氏も同様に「子どもたちを自然の中で自由に行動させてみようという寛容性が大切」と基調講演でも述べられた「リスク・マネジメント」について強調されました。

キャンプ活動と資金の問題
次に石田氏から「キャンプを行う際に必ず考えないといけない活動資金の問題について」とテーマが与えらました。
浅野氏は「私たちの団体は医者やビジネスマン、研究者など多様な人間が集まっているので、それぞれ得意の分野のノウハウを持ち寄り、資金集めの戦略を立ててこられたのが強みです」と述べられました。続いて木村氏が「行政に予算のお願いに出向いてもよい返事が得られたことがなかったので、自分たちでアイデアを出し合い、事業を成功へと導くしかないと思います。たとえば坂本先生のやっておられるプログラムを全国の停学中の青少年に実施してもらうのもいいのでは?」と提案されると、坂本氏は少々笑いながら、「それは妙案ですね。でも財団のようなところがキャンプ活動を援助してくれるのもいいと思います。たとえば米国にはある製薬会社の財団が精神的に障がいのある青少年向けのキャンプを実施しているんですが、40~50名を対象に約1年間に及ぶんです。しかもこのキャンプに参加することで学校の単位にもなるんです」と海外の実例をご紹介くださいました。それを受けてデビッド氏は「たしかに米国では企業や慈善団体からの寄付金で活動している例が多く見られますが、オーストラリアは福祉国家ですので、私たちの団体は政府から資金を得て活動しています」と自国の政策を強調されました。

人材育成の問題
最後に石田氏から「キャンプを行う際のスタッフをどうやって集めていますか。またボランティアについてのお考えもお聞かせください」とのテーマが出されました。
木村氏と坂本氏は「ボランティアに頼らない」というお考えで、「広く浅く人を集めるのではなく、数よりも質を問う少数精鋭で(木村氏)」、「精神的にデリケートな青少年と向かい合うので、カウンセリング能力のある専門スタッフが必要(坂本氏)」と、それぞれの理由を述べられました。
一方、「ボランティアを数多く集める」というのは浅野氏とデビッド氏で、「500名くらいのボランティアが登録。今後はキャンプの専門家の育成が目標(浅野氏)」、「学生や留学生をボランティアとして起用。ボランティアにも責任ある仕事を与え、彼らのスキルアップを専属スタッフがサポートしている(デビッド氏)」と、人材育成の観点から意見を述べられました。

以上、限られた時間でしたが、それぞれの目標と特徴をもった団体の代表者の意見らしく、さまざまな考えや思いを交わすことができた有意義なセッション(意見交換会)となりました。


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