美輪あきひろ◆講演会レポート

美輪あきひろさんから学ぶ、「生きやすい生き方」。

国際障害者交流センター ビッグ・アイ 多目的ホールでは、二日間にわたって、バリアフリーアートアカデミー・サマーフェスタが開催されました。
その二日目である8月11日には、芸術や文化活動の中で自らを美しく表現し大活躍されている美輪明宏さんの講演会を実施。「生きやすい生き方」をテーマにお話していただきました。盛大な拍手の中、優雅にステージに上がられた美輪さんは、開口一番に「淡谷のりこでございます」とユーモアたっぷりのごあいさつで講演が始まりました。


美輪さんの講演会風景
人間には、芸術や文化が必要

現代社会で次々に起こる残酷な出来事のそもそもの原因は、戦争にあると美輪さんは主張されました。かつて日本はすばらしい文化を持ち、世界中から尊敬されていたのに、戦争が人も民家も文化までも灰にしてしまった、と。毒に満ち、美を忘れた世界。それが今の日本の姿です。だからこそ、今、生活を美で彩り、心を美で満たす…。そういった美意識こそが、人生に幸福と潤いをもたらすのだと話されました。

相手の正体を見る大切さ

美輪さんは、幼い頃、銭湯の更衣室で人は着ているもので判断できないことを知り、お酒の席で、人間の本性が表れることを知ったとか。以来、人の外見や肩書きなどではなく、正体を見る習慣がついたそうです。「見えるものを見なさんな。見えないものを見なさい。それは、心です」と語る美輪さんの言葉に、客席は大きくうなづくばかりでした。

地球上には“正負の法則”がある

人間はいいことだけを望むけれど、それはこの世の法則ではないと美輪さんは言います。何かを得れば、何かを失う。いいこともあれば、悪いこともある。この“正負の法則”を理解していれば、人のことをねたんだりせずにすみます。大きな家を建てれば、それと同じくらいの不幸がやって来る。“美人薄命”、“色男、金と力はなかりけり”…など、数々の例をあげた後、「ちょうど皆さんくらいのほうが平和に暮らせるんですよ」の言葉に会場は笑いと共に拍手が沸き起こりました。

美しさの中に身を置くことが幸せへの道

時に笑いを誘いながら話された美輪さんの90分を超える講演は、時間が短く感じられるほど有意義で楽しいひとときでした。講演の締めくくりに美輪さんは、暮らしの中で手軽に実践できる4つのポイントを教えてくださいました。それは、玄関やお手洗いを清潔にし、いい香りを漂わせること。明るい色のものを身につけ、美しいインテリアの中で暮らすこと。美しい音楽を聞き、歌うこと。そして、いつもほほ笑みを忘れないこと。この4つを守っていれば、きっと運が向いてくるそうです。講演後、ホールを埋め尽くす観客から力強い拍手が鳴り止みませんでした。


●プロフィール 美輪明宏(みわ・あきひろ)
1935年、長崎県長崎市生まれ。52年、プロ歌手としてデビュー。57年、「メケメケ」、66年「ヨイトマケの唄」が大ヒット。67年、寺山修司主宰の天井桟敷旗揚げ公演「青森県のせむし男」に参加。以後、「毛皮のマリー」、三島由紀夫脚本「黒蜥蜴」「双頭の鷲」「椿姫」「愛の讃歌」など数々の舞台で主役を務める。今年、歌手生活50周年記念アルバム「美輪明宏全集」をリリース。コンサート、舞台、講演、執筆活動など、ジャンルを超えて幅広く活躍中。 美輪明宏さん、インタビューシーン