Art Space in japan Vol.005

障がいのある、なしに関わらず、誰も参加できるアトリエ

アトリエ が・らんふ

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思いのままに描いた作品。その質の高さにも注目

「アトリエ が・らんふ」は、障がい児童の保護者からの強い要望に応え、1998年、兵庫県西宮市にオープン。現在、ここに通うメンバーは15名で、さまざまな画材や独自の手法を用いた絵画制作に熱中しています。 これまでに制作された作品のいくつかは、数々の美術展に出品されたり、コンテストで受賞するなど、そのクオリティーやレベルの高さに注目が集まりつつあります。 メンバーの絵画制作への原動力になっているのが「アトリエ が・らんふ」主宰で、絵本作家の川原里依子さん。彼女が運営するアトリエにお伺いし、インタビューさせていただきました。

保護者からの熱望に応え、子どもたちのアトリエをスタート

「アトリエ が・らんふ」に集まった子どもたちの多くは自閉症で、絵を描くことはもちろん椅子に坐ることすらままならない状況でした。「子どもたちに無理に絵を描かせてはいけない」「描くことに興味を持たせることから始めてみよう」、川原さんの悪戦苦闘が始まりました。 川原さんは、ひとり一人と向き合いさまざまな画材を用意しては誘導し、何に興味を示すかを待ち続けました。やがて子どもたちは、何らかの興味を覚えた画材で、描いてみたり、塗ってみたり、擦ってみたりと、自分自身のこだわり行為を始めたそうです。 それからは川原さんの手腕が発揮されます。彼女のアーティストとしてのセンスが、子どもたちの内なるパワーや、やむにやまれず表現した思いをどんどん引き出していったのです。

描くことを強要してはならない。興味がわくまで待つこと。

「アトリエ が・らんふ」に集まった子どもたちの多くは自閉症で、絵を描くことはもちろん椅子に坐ることすらままならない状況でした。「子どもたちに無理に絵を描かせてはいけない」「描くことに興味を持たせることから始めてみよう」、川原さんの悪戦苦闘が始まりました。 川原さんは、ひとり一人と向き合いさまざまな画材を用意しては誘導し、何に興味を示すかを待ち続けました。やがて子どもたちは、何らかの興味を覚えた画材で、描いてみたり、塗ってみたり、擦ってみたりと、自分自身のこだわり行為を始めたそうです。 それからは川原さんの手腕が発揮されます。彼女のアーティストとしてのセンスが、子どもたちの内なるパワーや、やむにやまれず表現した思いをどんどん引き出していったのです。

何かを創造する行為は、誰にでも初めからあること

現在の「アトリエ が・らんふ」の活動は、西宮市内にある小さなアパートの一室で、週に2回、開催されていますが、集まってくるメンバーたちは、とにかく生き生きと楽しく、思いのままのスタイルで制作を続けています。川原さんのおっしゃる通り「芸術に関する知識や経験など、吹っ飛んでしまうくらいの衝動」をもった作品が、あちこちに散らばってる感じです。 「アトリエ が・らんふ」の特長は、メンバーたちが楽しんで作品を制作しているだけではなく、作品クオリティーの高さにあります。これまで企業や新聞社が主催する美術展への出品を始め、さまざまなコンテストで数多くの受賞歴があります。中でも2008年には、アウトサイダーアートのメッカとも呼ばれているローザンヌ(スイス)のアールブリュット美術館に招かれた作品もあるくらいです。 メンバーたちの光る才能を開花させた川原さんのセンスとパワーにも驚かされましたが、何かを創造するという行為は、周りのことを気にせず自分自身を表現すること、つまり一番プリミティブなことなんだと気づかされた一日でした。

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